中野新橋駅近く。内科,循環器内科,胃腸内科,呼吸器内科,小児科,禁煙外来の平澤クリニックです。

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平澤クリニック

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HIRASAWA CLINIC

質問箱のお答え(生活習慣病)

Q.メタボリック症候群とはなんですか。
A. 内臓脂肪が多いと高血圧症や糖尿病、高脂血症になりやすくなると言われています。内臓脂肪が多いかどうかを簡単に推測できる基準はないかといいうことで、設定したのが以下の基準です。

(1) 腹囲男性85cm以上、女性90cm以上
(2) 中性脂肪150mg/dl以上もしくはHDLコレステロール40mg/dl未満
(3) 収縮期血圧130mmHg以上もしくは拡張期血圧85mmHg以上
(4) 空腹時血糖110mg/dl以上

(1)は必ず満たしていないといけません。なおかつ、(2)〜(4)のうち2つ以上を満たした場合、内臓脂肪が多いだろうと判断し、その状態を「メタボリック症候群」と言うようになりました。
内臓脂肪が多いと高血圧症や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病になりやすくなります。そしてそれらの病気は動脈硬化を引き起こし、さらには心筋梗塞や脳卒中といった大きな病を引き起こす原因となりえます。心筋梗塞や脳卒中になると、後遺症が残ることがありご本人の生活の質が低下してしまうことが危惧されます。そうなる前に未然に防ぎましょうというのが「メタボリック症候群」提唱のねらいです。

Q.尿酸値が高いとどうなりますか。
A. 血液に含まれる尿酸という物質は、血液に溶けることができる量が大体決まっています。7mg/dl以上の濃度になると血液中にすべての尿酸が溶けていることができなくなり、余分な尿酸は結晶となり関節に蓄積します。特に足の親指の付け根に尿酸結晶は沈着しやすく、その結果炎症を引き起こし痛みが生じます。この状態を「痛風」といいます。尿酸は「プリン体」という物質から作られます。プリン体は細胞の新陳代謝によって生じる物質ですが、食べ物にも含まれています。ビールがプリン体を多く含むことは有名ですが、アルコールが分解される時大量のプリン体が産生されるので、ビールに限らずすべてのアルコールは尿酸値を上げるということになります。また高カロリー食は尿酸値を上げると最近言われるようになりました。
尿酸値が高い状態が続くと腎機能が悪化します。尿酸は腎臓から尿中に排泄されますが、尿酸の結晶が腎臓に付着し機能を妨げるのです。また、尿酸は動脈硬化にも関与していると言われています。

Q.コレステロールと中性脂肪について教えてください。
A. コレステロールも中性脂肪も脂肪というジャンルのひとつですが、役割が違います。コレステロールは細胞の膜の成分であったり、ホルモンの材料にもなります。つまり、生きていく上で欠かせないものなのです。コレステロールが高すぎるのは問題ですが、逆に低すぎるのも問題です。食べ物から取り込んだり、肝臓で作られたりしますが大部分のコレステロールはは肝臓で作られます。
中性脂肪はいわゆる体脂肪のもとです。食べ過ぎたりすると、エネルギーとして使われなかった中性脂肪は肝臓や筋肉に蓄えられます。いざ食べられない時に備えて、エネルギーが不足した時その蓄えから脂肪分をエネルギーとして使います。糖分より脂肪のほうがエネルギー効率がいいのです。ところが、エネルギーが不足するどころか、どんどん食べ過ぎていると、脂肪の蓄えが肝臓や筋肉以外のところにも蓄積し始めます。内臓脂肪が良い例で、内臓をつつむ膜に脂肪が蓄積し始め内臓脂肪が増加します。脂肪組織は体に不都合なホルモンを増やし、都合のいいホルモンを減らす作用があります。その結果、血糖値が増えたり、血圧が上がるなどといった生活習慣病になるわけです。
中性脂肪は食事の節制や、運動などで比較的低下しやすいですが、コレステロールは肝臓で生成されることもあり低下しづらいのが特徴です。ともに、動脈硬化などの原因物質ですので適正な値にする必要があります。

Q.脂肪肝の治療薬はありますか。
A. 脂肪肝は男性の約10人に1人、女性の約33人に1人と言われています。飲酒が多い、食べ過ぎ、糖尿病などにより肝臓に脂肪が蓄積し、血液検査での肝機能の数値が上昇する状態です。腹部超音波検査で診断できます。生活習慣病の結果に起こりえる病態の一つでもあり、脂肪肝それ自体を治療するというよりは、もともとある生活習慣病(高血圧症、糖尿病、高脂血症など)を治療し改善すれば脂肪肝も改善されるということになります。脂肪肝自体は予後良好ですが、脂肪肝の一部に非アルコール性脂肪肝炎という病態があり、その病態の場合肝硬変になる可能性が生じてきます。

Q.糖尿病の治療法を教えてください。
A. 膵臓から分泌されるインスリンというホルモンは血糖値を低下させるホルモンです。糖尿病はインスリンが不足したり、効きが悪くなるために血糖値が上昇する病態です。肥満からくる糖尿病の場合は、しっかり血液中にインスリンがあるのに、その効き目が弱いために血糖値が下がりにくいというパターンがよく認められます。その場合、インスリンの効きを良くするお薬を内服していただきます。糖尿病薬物治療を箇条書きにしますと、

(1) インスリンを注射する
(2) インスリンが増える薬を内服する
(3) インスリンの効きを良くするお薬を内服する
(4) 腸からの糖分の吸収を遅らせて血糖値を上げにくくする薬を内服する

などがあります。もちろん、運動療法や食事療法も重要です。薬を内服しなくても運動食事療法で大部分の内服治療の糖尿病は治るとおっしゃられる先生もいらっしゃいます。それだけそれらが大切だということです。糖尿病の方で標準体重以上ある場合は、体重を減らされると必ずと言っていいほど糖尿病は改善します。

Q.糖尿病の合併症について教えてください。
A. 血糖値が高いと、過剰な血糖が細胞を傷め始めます。その結果非常に細い血管にダメージを与えます。糖尿病の三大合併症といわれている、網膜症(進行すると失明することもあります)、腎機能障害(腎臓はおしっこを作る臓器です)、神経障害(しびれなどが生じます)はそれら臓器の細い血管が障害されたために生じる合併症です。また、それより太い血管の臓器が障害されることにより生じる脳血管障害、心筋梗塞、末梢動脈閉塞症なども起こりうる合併症です。また免疫力の低下により感染症が治りにくくなったり、傷の治癒が遅れたりします。その他皮膚病変や歯周病、水虫になりやすくなります。
もちろん、血糖コントロールを良好にすることによりこれら合併症の発症を予防することは可能です。糖尿病治療の最大の目的はこれら合併症を起こさないようにすることなのです。

Q.糖尿病は遺伝と関係ありますか。
A. 結論から申しますと遺伝素因も糖尿病発症に関係します。遺伝子が異常をきたし、それが原因で糖尿病になるパターンもありますが、多くはいわゆる「糖尿病になりやすい」という状態で、必ずしも発症するわけではありません。これは人間が飢餓の時代にエネルギーを節約するため引き継がれた「節約の遺伝子」が影響しています。飢餓の時代では、少ししか取り入れることができないエネルギー源を効率よく使用し、子孫を残すために非常に有益だった遺伝子体系です。ところが飽食の時代となり、この「節約の遺伝子」がかえって血糖値を上げてしまう原因となりうるようになってしまいました。この節約の遺伝子のかかわり程度や組み合わせなどにより糖尿病のなりやすさが変わってきます。

Q.慢性腎臓病とはなんですか。
A. 腎臓の状態が正常より少し悪い状態や尿に蛋白が出ている状態が3か月以上続くと慢性腎臓病と診断されます。そのまま放置しますとさらに腎臓の機能が徐々に低下し、最終的に透析が必要となる可能性も出てくる病態です。また腎臓が少し悪い状態では症状がでないため、何らかの症状が出てきた頃には状態がかなり悪くなっていることが多いのです。
原因として慢性腎炎の他、糖尿病、高血圧症などが挙げられます。肥満やメタボリック症候群の方にも多いと言われています。
慢性腎臓病の方は心筋梗塞や脳梗塞などにもなりやすい傾向があると言われています。
治療は禁煙、減塩、ダイエットなどといった生活習慣の改善です。また高血圧や糖尿病、脂質異常症がある方は積極的に治療します。特に高血圧のある方は通常よりも厳しく血圧を管理する必要があります。降圧剤も腎臓を保護する薬を選択します。

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