平澤クリニック
家での血圧の測りかたを教えてください。 朝、起床後1時間以内そして朝食前に測定してください。座った状態で測定し、1〜2分後もう一度測定してください。2回測定して低いほうの値を記録するとよいでしょう。大抵2回目の測定値のほうが低いことが多いです。晩は寝る前にやはり2回測定し低いほうを記録してください。朝も晩も測る時間を決める必要はありません。時間を決めてしまうと継続しづらくなります。また3回も4回も測る必要もありません。2回と決めてください。 動悸がするのですが。 動悸には1回1回の脈の拍動を強く感じる動悸、脈が速く感じる動悸、脈のリズムが乱れる動悸など種類があります。動悸がしたときご自身の手首の脈をとり、どういったタイプの動悸かある程度見分けることが可能です。また、動悸自体もいろいろな病態で生じます。心臓自体に原因があることももちろんありますが、それ以外にも貧血や甲状腺ホルモンの異常、脱水症、くすりの副作用、ストレスなどいろいろな原因で起こりえます。一度外来受診していただき心電図、血液検査、心臓超音波検査など諸検査を受ける必要があると思われます。 胸が痛いのですが心臓の病気でしょうか。 胸痛はいろいろな病気で起こりえます。しかし心臓の病気による胸痛というのはいくつか特徴があります。狭心症による胸痛は鋭い痛みというより締め付けられる感じ、圧迫感、不快感といったたぐいのものです。また胸痛の持続時間も重症例でない限り10分以内であることがほとんどです。胸痛の範囲もある程度の広さを持ちます(狭くても手のひらの大きさの範囲)。逆にいいますと、指でさせる範囲の胸痛は狭心症の胸痛である可能性は極めて低くなります。また胸痛部分を押したり、体の向きを変えたりすると痛みが増強するといった場合は心臓による胸痛の可能性は低くなります。 検診の心電図で不整脈といわれました。 「不整脈」は必ずしも病気ではありません。不整脈が治療の対象になること自体少ないといえます。検診で不整脈を指摘されても、心臓自体に病気がなければ特に治療したり、生活制限したりする必要がないことがほとんどです。まずは、検診の結果を持参していただきどのような不整脈か診させていただきます。必要ならば24時間心電図や心臓超音波検査、採血検査などを施行いたします。その結果を診て治療が必要か総合的に判断します。 心雑音があるといわれました。 心雑音の場合、小児と大人で考え方が異なります。健康な小児の3割に心雑音が聞こえます。これは「機能性心雑音」といって病的な心雑音ではなく、治療の対象にはなりません。大人でも「機能性雑音」が聞こえることがありますが(貧血などの場合)、小児で聞こえる場合が多い雑音です。大人で聞こえる心雑音は心臓の弁の異常が原因になっていることも多く、心臓超音波検査の適応です。この検査で心雑音の原因がわかります。 脈がたまに飛ぶのですが。 脈が飛ぶ、ということは不整脈があるということになります。しかし不整脈は必ずしも病気ではありません。心臓自体に病気がなければ特に治療したり、生活制限したりする必要がないことがほとんどです。心臓自体に問題ないかどうかを確かめる検査は必要です。心電図や心臓超音波検査、24時間心電図検査などを行うことがあります。 検診で心臓が大きいといわれました。 検診で心臓の大きさを評価する場合、胸部レントゲンや心電図によることがほとんどです。特に胸部レントゲンは体格や呼吸条件などにより心臓が大きくみえることがあり、真に大きいと断言できないことも多いです。全身状態や今までの病歴、心電図、血液検査、そして場合によっては心臓超音波検査により本当に大きいのか評価します。 狭心症と心筋梗塞の違いを教えてください。 心臓の周りには3本の細い血管が取り巻いています。その細い血管を流れる血液が心臓に栄養を運んでいます。心臓は1日に約10万回拍動する非常に働き者の臓器です。その臓器がそんなに働くことができるのも、細い血管を流れる血液が運んでくれる栄養のおかげです。しかし、そんな重要な血管ですが非常に細く、太いところでもせいぜい直径2mm程度です。動脈硬化が進行したり、血の塊でふさがったりして血液の流れを妨げると、心臓が欲しがる栄養分を血液が運べなくなります。完全につまっているいるわけではなく、かろうじて血液が流れている状態が「狭心症」です。心臓が欲しがる分の栄養分を補えませんが、少しは血液が流れているので心臓の細胞が大きなダメージを受けることはありません。ところが血管が完全につまってしまうと、血液が流れませんので心臓にまったく栄養分が行き渡らなくなります。すると心臓の筋肉が壊死を起こします。その状態が「心筋梗塞」です。つまり心臓の細胞が大きなダメージを受けるかどうかが両者の違いとなります。