平澤クリニック
風邪をひいたときはお風呂に入ってはいけないのでしょうか。 風邪をひいても熱がなければお風呂に入ってかまいません。昔はよく「風邪をひいたらお風呂はダメ」と言われたものですが、現在の考え方は少し異なります。熱があっても微熱程度でしたら(37度5分以下)入ってもかまいません。長湯をせず、湯ざめには気を付けてください。汗を洗い流しすっきりするのはいいことです。 お薬はお茶で飲んだらだめでしょうか。 問題ありません。お茶で内服されて不都合なことが起こることはまずありません。貧血の時に内服する鉄剤がお茶に含まれるタンニンと結合して吸収されなくなり鉄剤の効果がなくなる、と昔は言われていました。現在では鉄剤もお茶で内服しても特に問題ないと言われています。 この薬を飲んでいるときはこれを食べてはいけない、といった情報を教えてください。 グレープフルーツ:グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという物質がある種の薬の効き目を増強させる作用があります。カルシウム阻害薬(降圧剤)やうつ病の薬の一部、スタチン系(高脂血症の薬)といった薬を内服されている方はグレープフルーツを食べないようにしてください(ジュースも含めて)。 納豆:血液をさらさらにする薬は多種ありますが、その中でワーファリンという薬を飲まれている方は納豆を食べないようにしてください。納豆に含まれるビタミンKがワーファリンの効き目を弱めてしまいます。納豆菌が問題なので、大豆を摂取されるのは構いません(豆腐も問題ないということになります)。 牛乳:テトラサイクリン系の抗生物質は牛乳といっしょに飲むと吸収しにくくなります。 お酒:基本的に薬はお酒を控えている、という設定で処方されます。厳禁なのは睡眠薬です。お酒を飲んだ後に睡眠薬を飲むと効き過ぎてしまったり異常行動を起こすことがあります。 ウイルスと細菌の違いについて教えてください。 ウイルスは他の細胞に入り込んで増殖します。つまり他の細胞がないと生きていけません。細菌は他に依存することなく増殖し生きていけます。また抗生物質(化膿止め)というのは細菌を死滅させるために投与されるものです。ウイルスに対しては効果はありません。 胃腸炎の時の食事はどうしたらよいのでしょうか。 水分摂取が大切です。水分をとると下痢が悪化すると思われるかもしれませんが、そうではありません。水分が不足すると脱水となりますので適宜の水分摂取は大切です。冷やしていないスポーツ飲料などでミネラルを補うのもよい方法です。食事はお粥やうどんといった消化のしやすい食べ物をとるようにしましょう。食物繊維の少ない野菜(多いと下痢が悪化する場合があります)である大根やにんじん、ほうれんそうなどもお勧めです。白身魚や低脂肪の肉(鶏肉、ひれ肉など)もよいでしょう。少しずつ食べるのがコツです。 薬にアレルギーがあるようなのですが。 よくある薬のアレルギーは抗生物質とピリン系薬物です。抗生物質はペニシリン系の抗生物質アレルギーが代表的です。この場合セフェム系の抗生物質に対してもアレルギーが生じる可能性があります。ピリン系薬物は最近処方されないことがほとんどです。市販の風邪薬に含まれていることがありますので購入時販売店にピリン系アレルギーがあることを伝えましょう。また以前のアレルギー反応が投与後30分以内に生じた場合アナフィラキシーといって特に注意を要するアレルギー反応の可能性があります。受診された際、「アレルギーを起こした薬の名前」「どのようなアレルギー反応を起こしたか」を医者にお伝えくださるとこちらとしても対策がたてやすいです。 風邪によく効く薬を教えてください。 残念ながら風邪の特効薬はありません。なぜなら風邪症状を引き起こすウイルスは400種類以上あるといわれておりすべてをカバーする薬を作ること自体不可能だからです。よく処方される風邪薬はのどの痛み、鼻水、咳などといった風邪症状を改善させる薬であり、ウイルスをやっつける薬ではありません。ウイルスをやっつけるのはご自身の免疫力ということになります。つまり安静にして休むことが免疫力向上につながり風邪の治りも早くなります。 花粉症の予防法を教えてください。 花粉症は花粉に対するアレルギー反応によって引き起こされます。まず大切なのはアレルギーの原因物質である花粉になるべく接しないということです。マスク、ゴーグルなどといった防護対策、また花粉情報から花粉が多く舞っている時期、時間帯の外出を避ける、帰宅したら玄関外で衣類をたたき花粉を振り落とす、ふとんを長時間干さない(ふとんに花粉が付きます)などが大切です。また毎年花粉症で悩まれている方は花粉が舞う2週間前から花粉症の薬を内服し始めるという方法があります。花粉の時期に突入しても症状が軽くすむといわれています。また点鼻、点眼薬の併用も効果的です。花粉症の内服薬はいろんなタイプがありますので併用内服という方法もあります。 頭痛がひどいのですが。 頭痛には大きくわけて3種類あります。まず1つは肩こりなどからくる頭痛です。市販の頭痛薬が比較的効きやすいタイプです。2つめは片頭痛です。これは市販薬で抑えるのが困難な頭痛です。幸い片頭痛によく効く内服薬がありますのでそれを処方します。3つめは群発頭痛といいます。片頭痛の薬を用いたり、抗けいれん薬を処方して頭痛を予防したりします。それぞれの頭痛は特徴があるのですが、述べるとかなり長くなってしまいますので慢性頭痛で悩まれている方は一度ご相談ください。 のどの風邪をよく繰り返すのですが。 のどの両わきに扁桃腺という組織があります。免疫系に関与する組織ですが3歳をすぎますと重要な働きを担うことは無くなります。のどの風邪を繰り返す方は扁桃炎を繰り返している可能性があります。扁桃腺が大きく、そして年3回以上扁桃炎による高熱を認める場合扁桃腺を取る手術を検討することとなります。 膀胱炎を繰り返すのですが。 膀胱炎は女性に圧倒的に多い病気です。なぜならおしっこの出口から膀胱までの距離が女性のほうが圧倒的に短いからです。ばい菌がおしっこの出口から膀胱に向かって侵入して膀胱炎となります。残尿感があったり、おしっこの時痛かったり、トイレの回数が増えたりします。おしっこをがまんしすぎたり、あまり水分をとらなかったりすると膀胱炎になりやすいと言われていますが、それ以外にも精神的ストレスや過激なダイエット、疲労などが原因にもなります。そういったことに気をつけても膀胱炎を繰り返す場合は他に病気があって二次的に膀胱炎になっている可能性が出てきます。尿路結石、子宮や卵巣の腫瘍による膀胱の圧迫、などがそうです。 熱中症について教えてください。 暑さが体温の調節バランスを破壊し、それにより生じる体内のひずみを「熱中症」といいます。症状が3段階あり、一番軽い状態からI度、II度、III度と悪化していきます。 I度 のどが渇くので水分を補給するのはよいのですが、電解質の含まれていない普通の水やお茶などを飲んでいますと体内のナトリウムが薄まって「低ナトリウム血症」となります。そうなると筋肉がけいれんを起こし始めます。涼しいところで電解質の含まれる飲み物(スポーツ飲料など)を飲むと改善していきます。体温は正常です。 II度 脱水に循環障害が加わります。脈も速くなり体温も上がります。意識障害も軽度に認めます。なんとか体温のコントロールを保っている状態です。このレベルでは入院が必要となることが多いです。皮膚はひんやりしています。点滴で脱水と電解質を補います。 III度 一番重症な状態です。体温がさらに上昇し、血圧は低下します。意識障害も認めます。この段階では汗は逆に止まってしまいます。非常に危険な状態で集中治療を必要とします。 「熱中症」予防法としては、不用意に暑いところに行かない、どうしても行かなければならない時は日傘をさしたり帽子をかぶったりして熱の影響を極力少なくさせることです。また、暑いところにいる時は、飲みたくなくても30分ごとに定期的に水分をとりましょう。それに合わせて飲みたいときに飲むようにしましょう。また屋内でも「熱中症」は起こりえます。雨の日の後の気温上昇時にも「熱中症」は起こりやすいので注意が必要です。 子宮頸がんワクチンについて教えてください。 子宮頸癌は20代から発症しうる癌であり、ヒトパピローマウイルスが性行為により感染することが原因です。女性の80%以上の人が少なくとも一生に1回はこのウイルスに感染します。そしてその90%以上の人は自然にウイルスが消失します。ただ一度感染した後もまた感染する可能性があります。 子宮頸癌の浸潤癌まで進行するのはウイルス感染者の0.15%であり、前癌状態になってもウイルスが自然消失することも多いといわれております。 しかしながら子宮頸癌の発病年齢が20代からありえる若い年齢であるということ、またウイルス感染が原因であると原因が分かっていること、ワクチン接種にて子宮頸癌を予防できると言われていることなどからこのワクチンが注目されています。 子宮頸がんワクチンはこのヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンです。 9歳以上の女性が接種の適応です。10代の方は保護者の同意が必要です。45歳までの方に接種が推奨されています。 3回接種を行います。3回接種しないと効果は期待できません。 直接のご来院にてワクチンのご説明をさせていただきます。3種類のワクチンがありますが、シルガード9以外はお取り寄せとなります。 睡眠時無呼吸症候群について教えてください。 10秒以上続く無呼吸が一晩の睡眠中に30回以上、もしくは睡眠1時間に平均5回以上認められ、かつその一部は最も規則正しい呼吸が観察できるnon-REM睡眠時にも認められる場合、睡眠時無呼吸症候群と定義します。いびきが大きい、睡眠時間が十分なはずなのに日中眠い、眠っている時に呼吸が止まっていると指摘されたことがある、などが当てはまる場合睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。肥満も原因の一つと言われており、最近では高血圧症、糖尿病、狭心症、脳卒中などが睡眠時無呼吸症候群と関係があると言われています。治療は睡眠中に鼻マスクをしたりマウスピースをつけたりします。睡眠時無呼吸症候群かどうかは1泊入院により脳波や呼吸状態を調べる検査が一番確実ですが、現在では自宅でできる簡易検査もあります。当院では簡易検査が可能です。
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